テンプレートで動画制作をするなら30秒より15秒の方が効果的？

動画制作テンプレートは短いよりも長い方が好まれると考えがちですが、必ずしもそうとは限りません。現在では様々な場面で動画が活用されており、日常的に多くの人々の目に触れています。短尺の動画が好まれるのは、実際に長尺の動画よりも視聴者に大きなインパクトを与えた短尺の動画があることも理由の1つです。しかし、他にも理由があります。どのくらいの長さの動画制作のテンプレートが適切なのか、見ていきましょう。

Youtubeに掲載されている動画広告の中で、ノンスキップ広告（スキップをすることができない広告）の最大の再生時間は15秒とされています。動画投稿アプリのTikTokの撮影時間も、原則として、15秒に設定されており、SNSのTwitterでバズる（話題になる）動画も大部分が15秒以内のものばかりです。また、写真投稿アプリであるInstagramのストーリー機能でも撮影時間は15秒とされています。なぜ多くのSNSなどで動画再生・撮影時間は15秒に設定されているのでしょうか？

動画の再生時間が長いほど多くの情報を盛り込むことが可能なので、動画情報の提供者は長尺動画の方が効果は高いと考えてしまうかもしれません。しかし実態は全くの反対で、視聴時間が長くなれば長くなるほど視聴者は飽きてしまい最後まで動画を視聴することなく離脱してしまうといわれています。

具体的に、Youtubeの5分未満の動画を約4,000万本調査したら（Visible Measures社調べ）、最初の10秒以内では視聴者の20%が、30秒では33%が、60秒では44%が、90秒では半数以上が、離脱してしまうという結果となりました。このように短尺動画の方が離脱率は低いといえるのです。

また、短尺動画は商品やサービスに対する認知度が高まりやすいというメリットがあります。短尺動画でシンプルに情報を伝達することによって、動画を視聴した人の脳内に情報が残りやすくなるのです。そのため広告が視聴者にどのくらい定着したのかを計測する指標の「広告想起率」がアップします。

広告内容が脳内に定着することにより、定着度と比例してサービスの認知度も上昇します。そして、認知度がアップすれば、欲しい商品やサービスを探している視聴者の購買行動を促進することができ、売上高も増えるでしょう。

しかし、長尺動画の場合には視聴者が受け取る情報量が多いので、必要な情報を記憶に定着させることが困難です。記憶に残ることがなければ、商品やサービスを購買する際の自社商品・サービスに対するプライオリティが低くなってしまうので売上高の増加までには至らないでしょう。

動画の長さは短い方が利用者に対する訴求力が高いということをご説明しました。それでは短ければ短い方が効果的なのでしょうか。この点については訴求したい商品やサービスの種類・内容だけでなく、利用しているプラットフォームによっても違いが生じると考えられます。

具体的には、YoutubeやFacebookのテンプレートを利用して商品やサービスの情報を視聴者に届けたい場合にはやや長めの動画が好ましいといえるでしょう。Facebookは社会人の利用者も多いので、企業や商品などの動画情報を提供してもしっかりと視聴してくれる視聴者も多いと考えられるからです。また、Youtubeは映画なども含めて、豊富な情報量を持つコンテンツがあることは多くの視聴者が理解しています。多少長尺の動画であっても慣れている人が多いと考えられるでしょう。

一方で、Twitter、Instagram、TikTokなどの利用者は若者が中心であり、様々な情報に日々触れている人々です。こうしたターゲット層に長尺の動画を提供しても途中で飽きて離脱してしまう可能性が考えられます。したがって、これらのプラットフォームを利用して動画を提供する際には、基本的には15秒、長くても30秒以内に収める方が効果的でしょう。

しかし、自社のホームページなどのオウンドメディアにおいては自社サイトの訪問者に対して、自社や自社の商品・サービスの魅力をより深く発信する必要があります。具体的な動画の長さは、業種や商品・サービスによって異なるので一概にはいえません。しかし、SNSなどと比較すれば長時間の動画が必要になるでしょう。

具体的には、数分単位に切り分けた動画をいくつか掲載して紹介したり、必要に応じて30分を超過するようなとても長い動画をあえて制作・紹介したりすることで自社に関心が高い利用者の視聴を呼び込むこともできるでしょう。

動画制作のテンプレートにかかわらず長尺動画の方が視聴者に効果的ということはなく、むしろ長すぎると顧客離れを引き起こしてしまう可能性があります。利用するテンプレートによって適切な視聴時間は異なっているので、利用するテンプレートの特徴や主なユーザー層を念頭においてテンプレートと制作する動画の長さを決めることが極めて重要です。そもそも動画は文章や静止画像に比べれば視聴者へのアピール力が高いとはいわれています。高いアピール力を有効に利用するためにも、どのテンプレートを利用してどのくらいの長さの動画を制作するのかを決めていくとよいでしょう。